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東京地方裁判所 昭和46年(特わ)169号 判決 1972年3月17日

本店所在地

東京都大田区多摩川二丁目一五番四号

大正建機株式会社

右代表者代表取締役

西野正

本籍

愛媛県松山市持田町三丁目二四四番地

住居

東京都調布市国領町三丁目一三番地の一一

会社役員

西野正

大正一五年一月三一日生

右の者らに対する頭書被告事件について、当裁判所は検察官佐藤道夫出席のうえ審理をとげ、次のとおり判決する。

主文

被告会社大正建機株式会社を罰金一、五〇〇万円に処する。

被告人西野正を懲役八月に処する。

ただし、この裁判確定の日から三年間被告人西野正に対する刑の執行を猶予する。

理由

(罪となる事実)

被告会社大正建機株式会社は、東京都大田区多摩川二丁目一五番四号に本店を置き土木建築機械の賃貸等を目的とする資本金一、〇〇〇万円の株式会社であり、被告人西野正は、右被告会社の代表取締役として同会社の業務全般を統轄していたものであるが、被告人西野は、被告会社の業務に関し法人税を免れようと企て、賃貸収入の一部を除外して簿外預金を設定するなどの不正な方法により所得を秘匿したうえ、

第一、昭和四二年一〇月一日より同四三年九月三〇日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が七、七五二万九、五八六円あったのにかかわらず、同四三年一一月三〇日東京都大田区蒲田本町二丁目三〇番七号所在所轄蒲田税務署において、同税務署長に対し、所得金額が二、九七七万二、七〇八円で、これに対する法人税額が九六〇万七、九〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって同会社の右事業年度の正規の法人税額二、六三一万七、三〇〇円と右申告税額との差額一、六七〇万九、四〇〇円を免れ(別紙第一、第四)、

第二、昭和四三年一〇月一日より同四四年九月三〇日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が九、〇四〇万七、二五四円であったのにかかわらず、同四四年一二月一日前記所轄蒲田税務署において、同税務署長に対し、所得金額が四、四二六万三、一一七円で、これに対する法人税額が一、四八一万四、八〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって同会社の右事業年度の正規の法人税額三、〇九六万二、一〇〇円と右申告税額との差額一、六一四万七、三〇〇円を免れ(別紙第二、第四)、

第三、昭和四四年一〇月一日より同四五年九月三〇日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が一億二、〇七三万七、六七五円あったのにかかわらず、同四五年一一月三十日東京都大田区蒲田本町二丁目一番二二号所在所轄蒲田税務署において、同税務署長に対し、所得金額が五、八六八万一、一七三円で、これに対する法人税額が一、八八六万五八〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって同会社の右事業年度の正規の法人税額四、一六四万六、四〇〇円と右申告税額との差額二、二七八万六〇〇円を免れ(別紙第三、第四)

たものである。

(証拠の標目)

一、被告人西野正の当公判廷における供述

一、被告人西野正の検察官に対する各供述調書(二通)

一、被告人西野正の大蔵事務官に対する各質問てん末書(七通)

一、田中道裕の検察官に対する供述調書

一、一柳正春の検察官に対する供述調書

一、検察事務官柳沢忠幸作成の電話聴取書

一、登記官谷戸久正作成の登記簿謄本

一、昭和四三年九月期、昭和四四年九月期、昭和四五年九月期の各法人税確定申告書各一綴(昭和四七年押第二九一号の一、二、三)

以上のほかに

別紙第一、第二、第三の1について

一、一柳正春の現金売上の除外についてと題する上申書

一、一柳正春の昭和四六年九月二日付大蔵事務官に対する質問てん末書

一、大蔵事務官佐々木一作成の調査書

別紙第一の3について

一、一柳正春の昭和四六年九月二日付大蔵事務官に対する質問てん末書

別紙第一、第二、第三の12について

一、大蔵事務官柴一成作成の貸付金調査書および貸付金利息計算書

別紙第一、第二の13について

一、検察事務官柳沢忠幸作成の捜査報告書

別紙第一、第二、第三の19について

一、大蔵事務官柴一成作成の法人税額計算書

別紙第一、第二、第三の24について

一、一柳正春の昭和四六年九月二日付大蔵事務官に対する質問てん末書

一、大蔵事務官柴一成作成の法人税額計算書および事業税計算書

別紙第一、第二、第三の26について

一、大蔵事務官柴一成作成の貸付金調査書、貸付金利息計算書、簿外預金受取利息等調査書および未収利息計算書

別紙第一の28について

一、大蔵事務官畑尚夫の証明書

別紙第二の31について

一、大蔵事務官畑尚夫の証明書

別紙第二の33について

一、一柳正春の昭和四六年九月二日付大蔵事務官に対する質問てん末書

(法令の適用)

判示第一、第二、第三の各事実につき、それぞれ法人税法第一五九条第一項、被告会社には同法第一六四条第一項をも適用(被告人西野に対しては懲役刑選択)。

刑法第四五条前段、第四七条(被告人西野・判示第三の罪の刑に法定加重)第四八条第二項(被告会社)。

刑法第二五条第一項(被告人西野の刑の刑の執行猶予)。

よって主文のとおり判決する。

(裁判官 杉山忠雄)

別紙第一

修正損益計算書

大正建機株式会社

自昭和42年10月1日

至昭和43年9月30日

<省略>

別紙第二

修正損益計算書

大正建機株式会社

自昭和43年10月1日

至昭和44年9月30日

<省略>

別紙第三

修正損益計算書

大正建機株式会社

自昭和44年10月1日

至昭和45年9月30日

<省略>

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